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【事実?/思い込み?】勉強において「量」をこなせば成績はあがるのか?【東大調査と愛知県評定分布データから読み解く】

更新日:7 日前

【メディア取材】

名古屋市の守山区と尾張旭市の密着メディアである【とちかつTV】さんに、当塾を取材して頂きました。


サムネにある小中学生の塾選びのポイントだけでなく、教室や授業の様子、通塾生の成績推移、当塾の説明など、ぎゅっとまとまった動画となっています!


ご興味の方は是非ご覧ください!!


【勉強における「量」と「質」の問題】

最初に結論めいたことを書いておくと、当然「両方必要」です。

では、この記事では何をお伝えしていくかというと、「量」に比べて目が届きにくい「質」に関して掘り下げていこうという趣旨です。


意識しておいて欲しいことは、「量」に関しては、「質」の高低によって決定されるということです。こうやって書くと当たり前ですが、実際に学習にあたる生徒さんの中では、ほとんどこれは意識されていないと感じます。


この記事を書こうと思ったのは、1月に集団塾から移ってきた生徒さんの、2月中旬の学年末テストの結果を見て思うところがあったからです。


【導入ー事例から見ると「量」と「質」ー】

先述の生徒さんは、小学校高学年の頃から集団塾に通い、小学校のテストでは良い点が取れていたが、中学1年生になり、停滞を続けているという状況でした。


そんな中、その塾はテスト前2週間前後からほぼ毎日長時間の自習を行うという仕組みになっており、「ものすごく時間を使って勉強しているけど、成績が伸びていかない」というのが、保護者様のお悩みであり、転塾の動機でした。


1月からこちらで指導を始めることになり、1.5ヶ月後のテストに向けて、急ピッチで範囲の学習を最初から進めていきました。

折悪く、体調を崩してしまい、文系に関してはテスト3週間前から準備を開始するという突貫状態でした。


結果としては、文系は+20点、理系は+10点という感じでした。

保護者様は「時間的余裕もできて、点数も上がった」ということで、大変喜んでおられました。


どうしてこのような事が起きるのでしょうか?


【前提条件】

前提条件として、この生徒さんの持っている素養が高いということがあります。

過去の内容の単元的な知識漏れはそこかしこで起きてはいますが(これが理数の上げ幅が小さい理由です)、定期テストであれば範囲の内容を理解することで対応ができ、それらの繰り返しの量が少なくてもテストまでは覚えていられたというのが、短期間での対応でもどうにかなった理由です。

※暗記や言語能力に課題がある場合、基礎力を伸ばすことが必要なので、こんなにうまくいかないことは分かっておいてください


また、長時間勉強することに慣れていたので、前の塾程ではないにしろ、テスト週間中は塾にきて3H程勉強するということを厭わない姿勢が既に出来上がっていたことも大きいです。これは、前の塾の【長時間自習】で鍛えられた成果だと思います。


そして、一番大きいのが、本人に「成績を上げたい」という意欲がまだ枯れてなかったタイミングだったことです。


では、どうして前の塾では【今回の学年末テストの結果】のような現象が起きなかったのでしょうか?


そこが「質」の問題となります。


【事例とデータから見る学習の「質」の成績への影響】

「勉強の仕方が分からない」と、ご本人は良く言っていました。保護者の方からも「今まで自分で考えて勉強したことがないので、フォローをお願いします」ということも言われていました。

このような言葉からも、成績アップの鍵は「質」であったことは明白です。


では今回、『勉強の仕方』を伝えて、自分で学習を進めた結果、得点がアップしたのかというと、当然そんなに甘くはないです。


「何を」「どのようなやり方で」「どのタイミングで」ということを、講師が都度都度状況を見て、指示を出していった結果です。


そんな簡単に「質」を意識した自学ができるはずもないんです。「量」をこなすやり方の方が脳の疲労を最小限にして効率的に満点感を得られ、自分と周りを騙せます。脳が短期的な報酬を求めて直ぐにそちら側に人を引き寄せるからです。

この実態はデータも物語っています。


当塾のHPやブログで良く引用するデータがあるのですが、こんなデータがあります。

「上手な勉強の仕方が分からない」中学生:62.0%(2020年)→71.1%(2023年)

東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査」2023年実施分からのものです。

※東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査2023」については下記リンクからご確認頂けます。


そして、もう一つ興味深いデータがあります。それは、愛知県の評点分布の割合データです。

令和2年度愛知県公立中学校の評点分布の割合
令和3年度愛知県公立中学校の評点分布の割合
令和4年度愛知県公立中学校の評点分布の割合

5科における評定4以上は「約35%」で、評定3以下が「約65%」です。


もうお分かりですね?

「上手な勉強の仕方が分からない」の割合である71.1%と「評定3以下」の65%が、かなりの部分でクロスオーバーしていると考えられるのです。

※愛知県の評定に関する情報が知りたい方は、この記事をご覧ください。


もちろん「上手な勉強の仕方が分からない」けど、「評定5」だわ。という層も必ずいると思います。しかし、大部分が重なっていると考えて差し支えないと思います。


【「質」の良し悪しは見えにくい】

いかがでしょうか。データ的にも、「成績」と学習の「質」がかなりの部分で関わっているという示唆にはなったのではないでしょうか。


ですが、保護者の方としては、「量」を「数字」で示される方が、納得感があるのではないでしょうか?

「これだけの時間勉強をするのだから、良い結果につながるだろう」

そう思うのも無理なからぬことかもしれません。


「質」に目が行きにくいのには、下記のような理由があると思います。

・「量」は簡単に数字で明示できるが、「質」は数値化しにくい。

・「質」は確認テストなどで効果測定を行うか、より細かく見るには傍にいて過程を観察し続ける必要がある


要は、とにかく測定する側が「面倒」ということです。

生徒さんも「〇時間やった」「〇ページやった」という形で学習を測定しがちです。

そしてそれは生徒だけでなく、学校や保護者の方、あるいは学習塾もそうかもしれません。


その中で「質」という変数はその面倒さゆえに見て見ぬふりをされていき、誰からも見向きもされなくなっています。


ただ、「量」は比較優位を取っているのに、成績が向上していかない(上位層の争いは除外)というお悩みの場合は、一度面倒であっても「質」にも目を向けてみてはいかがでしょうか。記事の事例のようなことがおきるケースもありますので。


今回の記事の中で私自身も発見がありました。

集団塾は「5科オール4未満」にはお勧めしないということを以前からお伝えしてきました。

それは、集団塾が「質」を高める指導をする場所ではないからです。

だから、入塾前に「質」が担保されているか「質」を向上させられる素養がある、もしくは「質」が問われない程に基礎能力が高いという裏付けとなる「5科オール4以上」が、集団塾に行くべきとしてきました。

これは、「上手な勉強の仕方が分からない」の割合である71.1%と「評定3以下」の65%の割合の数字をもって、ある程度裏付けになったと考える次第です。

そして、実はもう一つデータ的裏付けがあり、もう少し議論を深堀りできるのですが、今回はこの辺りにしておこうと思います。


次回は多くの保護者様が過度に好意的に解釈している「中学生」の生態の実態について書いていきたいと思います。

実態を知らなくてはアプローチもままなりませんので、きちんと「中学生」の習性について理解をして欲しいと常々思っています。


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名古屋市守山区にある<プロ講師が教える個別指導塾>「守山個別塾ーモリコベ!ー」のブログです。

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