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「塾講師バイト やめとけ」は本当?個別指導塾の講師兼経営者が判定。

  • muranao0117
  • 1 日前
  • 読了時間: 20分

更新日:1 時間前

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個別指導塾から塾講師バイトが消える?

検索窓に「塾講師バイト」と入力すると、「塾講師バイト やめとけ」のクエリがサジェスト候補として表示されます。


20年程前ですが、塾講師バイトとして働き、10年以上個別指導塾の講師として働き、個別指導塾の運営5年以上の塾講師兼個別指導塾経営者が、他アルバイトと比較をして、「塾講師バイト やめとけ」の議論について考えてみます。


「塾講師バイト やめとけ」と言われるのが妥当なのか。

そして、妥当ならば塾業界はどうなっていくのかについても考察します。

【悲報】塾講師バイトを選ぶ理由が一つもない件のイメージ画像

目次




【塾講師バイトがブラックと言われる理由】

まずは塾講師バイトがブラックバイトと言われるのには、今に始まったことではありません。

現在の大学生の方はご存知ないでしょうが、2015年頃に「個別指導塾のバイト=ブラックバイト」という報道があり、社会問題として取り上げられた経緯があります。

当時は「ブラックバイトユニオン」というNPO法人に、多いときは月に100件もの相談や問い合わせが来る事態となっていようです。


要は、塾講師バイトとは【お墨付きの歴史あるブラックバイト】なのです。

その中でも、「個別指導塾のバイト」が特にブラックバイトとして注目されていました。


当時ブラックバイトとして一世を風靡した理由としては、「コマ給」という概念でした。

2016年当時の過去の記事から「ブラックバイトユニオン」の事務長のコメントを引用します。


個別指導塾の特徴は、一コマ数十分程度の授業に対してのみ賃金を支払う違法な「コマ給」の給与体系にあります。この業界の悪習ともいえるコマ給がブラックバイト問題を引き起こす元凶となっています。というのも、授業に対してのみ賃金を払うということは、授業以外の時間は無制限・無給で働かせることができるということです。そのため、賃金コストが上昇する心配もなく、責任や仕事を学生に負わせ放題にできるのです。個別指導塾は一人ひとりの子どものニーズに合わせた教育をうたっており、そのために授業後の授業報告書の作成業務が必須ですし、塾によっては、子どもの成績や進路を検討するミーティングがあることもあります。さながら学校の先生です。しかしながら、こうした授業時間外の給料はほとんど支払われません。

引用元:授業に出れず、単位を落とす学生が急増!学習塾や小売業の「ブラックバイト」に注意(元記事を見る


このように、結構な社会問題として大きなニュースとなったものです。

そして、業界は反省をしたはずでした。


しかし、10年を経た2025年現在においても「塾講師バイト やめとけ」というサジェストが出てくる状況です。


業界は変わっていないのでしょうか?

ネット上で「塾講師バイト やめとけ」と言われる理由を色々見つつ、個人的な意見も含めてまとめてみました。


 
  1. 過去とは違い時給が他のアルバイトとほぼ変わらない水準

  2. 面接と採用試験に対策が必要で他のアルバイトと比べて時間がかかる。研修期間が長く低時給での労働期間が長い

  3. 無給労働が多く発生する

  4. 実質時給換算すると他のアルバイトと比べて時給がかなり下がる

  5. 頭髪や服装、アクセサリーなどの縛りがある

  6. 一部の個別指導塾では、教室の業務である電話対応や保護者面談・進路指導も行わなければならない

 

各事項に関して、以下にデータを交えながら所見を述べていきます。


<過去とは違い時給が他のアルバイトとほぼ変わらない水準である>

これが大前提にあると思います。

過去は他のアルバイトに比べて高い時給を魅力として打ち出すことができましたが、今や気軽に柔軟に働ける単発バイトとほぼ同水準のアルバイト代しかでないのです。


塾講師アルバイトの時給がどれほどか、求人情報を見てみましょう。

だいたい、時給1,200円~1,300円といったところです。

これは、名古屋市の求人もそうですが、時給が高い東京都でも同じような水準です。


データが弱いので、もう少しデータを引用したいと思います。

2019年に人材マッチング会社が行った東京都におけるアルバイト種別の採用コストと平均時給のデータを紹介します。

業種別アルバイトの採用単価と平均時給(東京都:2019年)

引用元:㈱ネオキャリア(2019:元記事はこちらをご覧ください


平均時給は1,607円で1200~1300円ではないじゃないかと突っ込みが入りそうですが、医学部生や東大生限定、大学受験生や中学受験生の指導業務といった、高い学力と経験を求める求人も含んでいるので時給が上がっていると考えられます。


多くの個別指導塾の求人の場合は、2025年現在においても1200~1300円といったところです。


一方で、他の業種の時給は2019年から上昇していますので、多くのアルバイトと同水準の時給となっているのが現在の状況という訳です。


要するに、塾講師バイトに金銭的な魅力は既にない訳です。

以下、塾講師バイトは効率良く稼げるバイトではないという前提で読んでいってください。


<面接と採用試験に対策が必要で他のアルバイトと比べて時間がかかる>

面接と採用試験について見てみましょう。

全国で最大規模の個別指導塾である森塾を運営する㈱スプリックスが運営する塾講師求人サイト「塾講師JAPAN」から面接でよく聞かれる質問と回答のアドバイスを見てみます。


【塾バイト面接の質問1】 まず、自己紹介をお願いします。 回答のポイント: あくまで簡潔に。志望動機や働く上での抱負にも触れておきたい。
【塾バイト面接の質問2】あなたが塾講師になりたい理由は何ですか? 回答のポイント: 「塾講師としてどのようになりたいか」や、「アルバイトを通じて身につけたいことに」触れたい。
【塾バイト面接の質問3】なぜ、数ある塾から当塾を選びましたか? 回答のポイント: 事前にHPを見るなどして、塾の特徴や方針などを理解し、共感できる部分や興味を持った部分を伝えること。
【塾バイト面接の質問4】あなたの長所を教えてください。 回答のポイント:自己評価はもちろん、他者から言われることも参考にするのもOK!
【塾バイト面接の質問5】あなたの短所を教えてください。 回答のポイント:短所は、それを克服するためにどのようなことをしようと思うか、あるいはどのようなことをしているかを含めて伝えられた方がベター。
【塾バイト面接の質問6】あなたが教えられる科目は? 回答のポイント:面接前に出来る対策はないが、正直に答えるべき。
【塾バイト面接の質問7】先生になったら、生徒にどのように教えたいと思いますか? 回答のポイント:正解や有効な対策法はないが、必ず一考しておくべき質問。
【塾バイト面接の質問8】もし当塾で働くことになった場合、いつから働けますか? 対策案:しっかり現実的に可能な日付を簡潔に述べましょう。

当然、採用試験があります。英数の2科目が主流のようで、だいたい1時間ほどの試験が多いようです。面接と採用試験を合わせて、だいたい2時間ほどの拘束となるようです。


一部の塾講師という仕事に熱意をもって面接にくる既得な学生さん以外の多くの学生さんにとっては、質問6、8については事務的なもので必要な確認事項ですが、他の質問は正直【そこまで求めてくるの?何様?】とイラっと来る質問だと思います。


この【そこまで求めてくるのか】という感覚は、他のアルバイトの採用面接に比べた際にどうしても沸いてきてしまう感情だと思います。


昨今ではタイミーのように空いた時間でサクッと稼ぐという「タイパ」を意識した労働形態が浸透してきています。単発バイトも自分の都合とあった案件を選んで応募するだけです。


昔のように塾講師バイトが比較的高給だった時代はそれも必要なことと学生さんも思えたはずですが、今の時給水準では学生さんが【コスパが悪い】思ってしまうのは無理なからぬことです。


ただ、個別指導塾側からすれば、実際の生徒さんの指導にあたるのは学生アルバイトさんなので、指導への意欲と能力のある人材を選別するべきというのはもっともな話です。

自分のお子さんを塾に預けている保護者の方も、当然そういった先生が指導にあたってくれることを期待していると思います。


よって、面接の質問事項や採用試験については、至極当然のものと言えます。個人的にはむしろ足りないくらいだと思います。【誰でもいいや】で採用をしていたら、悪評が広まってしまい、生徒が入ってこなくなりますからね。


この辺りのジレンマが、先ほどの採用単価73,000円という数字に現れていると思います。現在はもっと上がっているでしょうし、今後も上がり続けるだろうと予想します。


<研修期間が長く低時給での労働期間が長い>

研修期間に関しては、他の業種と比較して長いとは言えないと思います。


ただ、先ほどの㈱スプリックスが運営する森塾では「一学期を終えると」研修期間が終了するということで、やや長目であると思います。

逆に、2週間程で研修期間が終わる塾もあるようです。

学生さんにとって3~4カ月というのは決して短い時間ではないので、事前に条件を良く確認をしておくべきだと思います。


個人的には、研修期間の長さよりも、研修期間中の時給の下がり方が他業種と比べて大きい場合がある、ということに注意した方が良いでしょう。

時給1,200~1,300円の個別指導塾であれば、東京都の2024年の最低賃金が1,163円で、2025年にはまた上がるでしょうから、ほぼ下げようがないので大丈夫だと思います。

ただ、最賃との差がけっこうある地域や、やや高時給に設定してある塾講師バイトにはこの罠が設定してあることがありますので、注意をしておいた方が良いでしょう。


<無給労働が多く発生する>

ブラックバイトと話題になってから、この問題に対応する個別指導塾は増えてきているとは思います。なにがしかの手当だったり、時間外労働をきっちり支給するといった条件謳う求人もちらほらあります。

ただ、やはりこれらの授業外労働に関して求人に記載がないものや、記載があっても諸条件がきっちり確認できないものが多いです。

各種の口コミを見ていても、直接にあるいは暗に指示された業務でありながら時給が発生しないということは往々にしてあるようです。


同時に、授業準備に関しては基本的に無給とする塾が多いようです。

授業準備手当というものを支給する塾もあります。

その場合単に指導にあたる際の最低限の準備には手当が付く形になりますが、生徒の成績向上のためにプリントを作成したりといった付加価値を生む労働はどうしても無給となることがほとんどのようです。

生徒を思って付加的な労働をしようとすればするほどボランティアになるということですね。(これは学校の先生や一般企業のサラリーマンも同じですが。)


タイムカードをガチャンとするタイプや、あらかじめ何時~何時と時間が決められているスポットバイトに比べると、塾講師バイトは無給労働の時間は多いと言えます。


特に「良い先生」であろうとするほど、時給が下がることになるというがきついですね。

いわゆる「やりがい搾取」というやつです。


<実質時給換算すると他のアルバイトと比べて時給がかなり下がる>

ということで、時給が他のアルバイトと変わらないといことは、必然、実質時給は他のアルバイトよりも下ということになります。

学生さんがどれぐらい工数をかけるかということにもよりますが、実質時給700円程というネット報告もありますね。

最賃を下回るからありえないと言われるかもしれませんが、見た目の時給が最賃を超えていたら良いですし、サラリーマンでも実質時給700円ぐらいの人は沢山いると思います。


<頭髪や服装、アクセサリーなどの縛りがある>

こればっかりはいかんともしがたい話ですが、おしゃれを楽しみたい大学生にとっては意外とハードルが高い条件だと思います。

清潔感のある髪型と髪色、スーツ、アクセサリーは華美でない程度。

この辺りはマストで要求されるのではないでしょうか?

裏方のバイトのみならず、最近では人前に出る仕事でも見た目の条件は緩くなってきている流れがある中で、塾講師バイトはやや不利だと思います。


<一部の個別指導塾では、本来教室長の業務である電話対応や保護者面談・進路指導も行わなければならない>

経験者や口コミをじっくりとご覧になった方はご存知だと思いますが、バイト講師に教室長の業務の一部を担わせている個別指導塾もあるようです。ある全国展開する大手個別指導塾の口コミは流石に引いてしまうレベルだったのを覚えています。


この塾は学習計画書を作成しての計画的な学習を付加価値にやや高めの料金設定の個別指導塾なのですが、バイト講師が生徒の学習計画を作成します。この計画書自体、かなり時間がかかるものだと思います。個別指導塾歴10年以上の私が作成するにしても、3カ月分で3時間ぐらいは時間がかけると思います。教室長がこれをチェックし、リテイクを食らう場合もあるようで、そうなると更に時間を投じなくてはなりません。


また、保護者面談もバイト講師が行います進路指導も行うので、しっかりと各種情報を調べておかないと保護者の方からのクレームにつながりかねないです。

そのクレームも含めて、基本的には保護者からの電話は担当のバイト講師が対応するという形のようです。


また、講習期間中の授業日程もバイト講師が調整・決定をするということで、これもかなり時間をようする作業となります。


私が個別指導塾の正社員講師として働いてた時の業務とほぼ遜色ないレベルです。塾講師としてしっかりと研鑽が積める環境だとは思いますが、塾講師や教職を目指す人でない限り、客観的に見て全くおすすめできないアルバイト先です。求められればがんばってしまうという学生さんは、特に注意を払っておきたいですね。

2015年の状況など比較にならないほどの超絶ブラックバイトだと思います。


【塾講師バイトを今や不人気バイト。今はオンライン家庭教師のバイトが人気】

10年前に「ブラックバイトの代表格」として問題になった「塾講師バイト」ですが、多少、授業準備時間や授業後の事務作業に対して無給労働に対して手当を出すような対応も見られるようになっています。

ただ、それでもまだまだ無給労働の部分はあるでしょうし、10年前の状態と変わらずバイト講師に無給労働を強いる学習塾は少なくないだろうと推測されます。


そして、現在では「見かけの時給」も他アルバイトと同水準までになってきている訳です。

最後に紹介した超絶ブラックバイトのような条件でなくても、これでは人気が下がってしまうのも当然です。


一つ象徴的な事例をご紹介します。

先ほども登場した「塾講師JAPAN」の動画広告です。

その動画での打ち出し方を見ると、時代は変わったなぁと思わざるを得ません。

「人前でしゃべる仕事。だから就活で役に立つ」

こういう打ち出しなんです。


逆に言うと、金銭面や教える仕事という側面では、大学生に見向きもされなくなってきているということな訳です。


現在、塾講師バイトに代わるアルバイトとして人気なのが、オンライン家庭教師のバイトのようです。

人気の理由として下記のようなことがあげられます。


  1. 出退勤の時間を節約できる

  2. 授業時間を柔軟に設定できる

  3. 採用試験がない

  4. 研修期間がない

  5. 事前準備が比較的少ない

  6. 授業中に他事がしやすい

  7. 保護者とのやりとりやクレームはマッチング業者が対応してくれる

  8. クレームにより契約が切られても案件が山のように転がっている

  9. 塾講師バイトに比べて高時給


6~9については少し補足説明をします。


<6.授業中に他事がしやすい>

これは、リアルな声を紹介した方が良いですね。

こんな感じだそうです。(原文ママ:元記事はこちらでご確認下さい

「じゃあまずこの問題解いてみようか。問題なくできたら次どんどんすすめといて。もし詰まったら隠さずに質問してね。」
問題演習という名目で放置。その間わいは自分のタスクを処理している。
すると、どういうことが起きるかというと、
40分後くらいにようやく「先生、ここわからないです」
という声がパソコンから聞こえてくるんだ。
そしたらすぐにミュートを解除して問題解説に移る。
で、解説が終わったらまたさっきと同様に問題を自分で解かせて放置。で、気がついたら80分授業が終わっている…という感じだ。
実働時間は少ない時だと15分、多い時でも40分とか。
それで1コマ3,000円から5,000円もらえる。
これが手の抜き方。
生徒も毎回満足そうに「今日もありがとうございました〜」って言って終わるからお互いWIN-WINの関係。みんなハッピー。
実際、オンライン家庭教師なんてこんなもんよ。
だけど、これが個別指導やリアル対面家庭教師だとなかなかやりづらい。仲良くなったら隣で本読んだりパソコンカタカタやっていてもいいんだけど、そこまでの関係構築するまでに時間がかかるので、それだったらわいはオンライン家庭教師の案件しかとらない。

正直「おいおいおい」と思いますが、効率よくアルバイト代を稼ごうという観点からみると、実に理に適ってますよね。

補習授業が必要な状態のお子さんって、ご自身としても「勉強やりたくない」という思いがあるので、ある種の講師と生徒の共犯関係が成立しやすいんですよね。

何度かHPやブログでも書いているのですが、そもそも生徒さんの多くは、分からないことがあっても質問はしないです。

興味のない勉強の話を聞きたくないからです。

補習授業を必要とする生徒さんに関しては「わかっているかどうか」の確認を逆質問していくしか手はないんです。


当事者しかいないオンライン上でのやり取りになれば、まぁ、こうなりますわな。


<7.保護者とのやりとりやクレームはマッチング業者が対応してくれる>

基本的にバイト講師は授業と指導報告書の提出のみを行うようです。

もし保護者の方からクレームが入って契約が切られたとしても、多少は心のダメージは受けますが、それ以上のことは何もなく、気にしなければ問題ないようです。


<8.クレームにより契約が切られても案件が山のように転がっている>

比較のためにオンライン家庭教師と塾講師バイトの求人を検索して、求人数を見てみました。インディードでヒットした求人数です。


オンライン家庭教師:37,843件

塾講師バイト 全国:170,049件


流石に塾講師バイトの方が5倍弱あります。

次に、名古屋市限定で検索してみます。


オンライン家庭教師:37,843件

塾講師バイト 名古屋市1,080件


いや~、大差がつきましたね。

実際はもっと狭い範囲の地域で絞るので、塾講師バイトは10~20件ぐらいが検討可能な範囲ですかね。


オンライン家庭教師は全国を対象にできますからね。腐るほど案件があると言ってもいいでしょう。


<9.塾講師バイトに比べて高時給>

そして、極めつけのこれですね。時給が高い!

大手と言われる「メガスタ」の時給相場を見みましょう。(120分辺りなので、時給換算すると半分になります)

メガスタの案件別時給

出典:オンライン家庭教師ピース(元記事はこちらをご覧ください


塾講師バイトで多い中学生の補習授業を見てみますと、大学生教師で時給1,840円が最低となりますね。

個別指導での塾講師バイトが時給1,200円で約600円の差ですが、出退勤や雑務や指導準備などを加味すると、実質時給ではもっと差が開きますね


【個別指導塾の運営は成り立たなくなる可能性。オンライン家庭教師や自立支援型が主流となるか?】

さて、ここまで見てきて如何だったでしょうか?

オンライン家庭教師が強すぎますね。時給1,840円なら他アルバイトにも十分優位なポジションをとれますし、登録者がホイホイ来るので求人広告に費用をかけなくてよく、時給を高く設定できます。個別指導塾のこの点で事業モデルとして負けているので、構造的に勝てないという感じに思えます。時給以外の面もいいとこばかりが目立ちますしね。


導入で引用した「ブラックバイトユニオン」の事務局長の方のインタビューで、気になる部分があったので再度引用します。

個別指導塾の興隆とともに、学歴を問わずどんな学生でも講師として採用されるようになりました。個別指導塾は、アルバイトの講師が一コマで1~3人の生徒を受け持つケースが多いのですが、生徒にプリントを解かせ、質問を受けて適当に答えるだけでも、授業は成り立ってしまう。多くの経営者にあるのは、子どもに大学生をあてがっておけば、利益が発生するという安易な思考です。
 ーーまるで子守り同然ですね。(※インタビュアー)
教育に対する経験も関心もない経営者が異業種から参入し、教室長と学生バイトに現場を丸投げして、教育のクオリティも講師の労働環境も杜撰になっているケースはうんざりするほど目にしました。大手の個別指導塾であっても、一人の講師が5、6人の子どもをまとめて押し付けられている教室もあり、もはや個別指導の体をなしていません。講師に一人でも多くの生徒を詰め込むことで利益を上げようとしているわけです。 (中略) 個別指導塾では、他の業種に比べても仕事に思い入れのある真面目な学生アルバイトが多いですから、授業以外の業務がタダ働きでも、生徒のためにやれといわれれば頑張って働いてしまいます。きつくて辞めようとすると教室長に「生徒を見捨てるのか」と責められる。ブラックバイトはこの国の教育を食い物にしているのです。

引用元:授業に出れず、単位を落とす学生が急増!学習塾や小売業の「ブラックバイト」に注意(元記事を見る


かなり棘のある言い方ですが、フラットに見れば、個別指導塾とはこの方がおっしゃる通りのビジネスモデルだと思いますし、現在も基本構造は変わっていません。


ただ、時代は変わりました。

指導を求める生徒さん、指導を提供するバイト学生。

その両方を集めるのにかかる広告宣伝費や採用費が、どんどん膨らんできているのです。

(ここは次回記事への伏線となります)


個人的には、個別指導塾はこれからどうしていくのだろうか?と他人事ながら心配になるご時世だと感じました。

「いや、あんたのところも個別指導塾じゃん」と言われると思いますが、当塾は塾長一人体制なので、正直関係ないっす。はい。


ただ、個別指導塾の塾講師として言わせてもらえば、教室という箱を持っているのは成績を上げるうえではとても重要だと思っています。

それは、学習量を確保する上で、スマホ・ゲーム・漫画といった誘惑だらけの生活空間でなく、学習に特化した空間で過ごす時間を作ることが大事だからです。


中学生約65%を占める「勉強をする気がわかない」という中下位層の指導においては、ある程度強制力を働かせて学習行動に向き合ってもらわないと、無駄課金になってしまいます。

保護者サイドから見ると、そこがオンライン家庭教師だと心配な点だと思います。


そうなると、なるべく人件費をかけずに監督者がいるという条件になるので、松陰塾(公式HPはこちらをご覧ください)や自立学習RED(公式HPはこちらをご覧ください)といった、教室長が一人いて、生徒がタブレット学習を進めていく自立支援型の学習塾が勢力を増していくかと予想できます。


しかし、自立支援型の塾にも当然弱点があります。

保護者の方の話を聞いていると、ただ画面を眺めていたり、テキトーに流し見をして問題を解いてしまったりと、こちらもやはり中学生約65%を占める「勉強をする気がわかない」という中下位層の指導において、【学習行動と向き合わせる】という肝となる部分に対するアプローチ力が弱いんです。

「自分でコツコツ真面目に勉強できる子」であることが前提条件として必要になります。


ただ、悲しいことにこれまでの学習塾業界がそうだったように、成績が上がらなくても集客さえできれば、一定の利益は上がります。

その意味で、個別指導塾を成り立たせることは難しくなりますが、オンライン家庭教師や自立支援型の学習塾というのが今後の主流となっていくと予想します。



次回は本記事で述べたことを踏まえたうえで、個別指導塾の経営が今後どうなっていくのか。深堀をしていきます。

次回はどちらかというと、事業者様向けの記事となる予定です。

フランチャイズで個別指導塾の経営をご検討の方には是非見て頂きたい内容となります。




 
 
 

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