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勉強法自体ではなく勉強法を見直す意識に働きかける

目次


勉強法

【中3生が夏を迎えるにあたっての大事なポイント】

期末テストの返却が始まり、中3生には夏の勉強の予定を立てることを宿題に出していっています。

当然、私が作った方が精度の高いものができるのですが、私が作っちゃうと、やらないから、ね。

「UFOキャッチャーで既に3000円つかっちゃってるよ」みたいな、自分がコストを突っ込んだ状態にしないと中々機能しません。他人事になるので。


志望校や仮想志望校を睨みつつ、40日間で「どの科目の、どういった点」を復習していくかを私から提示して、生徒さんにたたき台を作ってもらい、そこから話し合ってブラッシュアップをしていく予定です。


夏を過ごす中で、計画もそうですが、やはり大事なのは「生徒さん自身の学習の質」と「意志」です。

当然授業の際にチェックをして修正を入れていくのですが、四六時中張り付いていられる訳もないです。

「体裁なぞり勉強法」や「アリバイ確保勉強法」を止められる訳ではないので、その時間は浪費してしまうことになります。(「体裁なぞり勉強法」や「アリバイ確保勉強法」については過去記事をご参照下さい)


生徒さんは「これ、無駄やん」と思いながらも「体裁なぞり勉強法」や「アリバイ確保勉強法」を根気よく続けられる忍耐力があるので、40日間といえどもほぼどぶに捨てることも可能です。

だから、夏に突入する前に「生徒さん自身の学習の質」と「意志」が一定整っていることはかなり大事なポイントになります。


【過去記事の後日談】

そんな中である生徒さんの話です。


 
 

こちらの記事で触れた生徒さんなんですが、話の続きがあります。


上の記事での流れはこうです。


生徒さん:国語の成績を上げたいが、何をやったら良いか、ノーアイディア。

私:中間テストを材料に、範囲と問題種について分析をして、期末に向けてのテスト勉強を見直してはどうか?


この後、実際に生徒さんが中間テストの分析を次の授業までにやってきてくれたんですね。

具体的なアクションまで落とし込んでなかったので、何をやるのか決まっていない状態だったんですが、本人なりにちゃんと考えてきた跡が見えたので、授業でもそのまま分析を続けてもらいました。


何から出題されている問題なのか、範囲に対して学習をかけた結果失点しているのか、それとも全くノーマークだったのか、失点の原因はケアレスなのか知識があやふやだったのか分からなかったのか、自分が取れるようになりそうな問題なのか無理そうなのか。


こういった視点をアドバイスして、じっくり分析をしてもらいました。


生徒さんの分析はおおむね下記のような感じでした。

「ここの問題はプリントから出ているからプリントを完璧にする」

「この問題は記述なんで自分には厳しいと思う」

「この問題は設問をしっかり読めてなかったのが失点の原因。な・どから始まる疑問詞と答え方の指示の部分に線を引くことを普段から取り入れる」

「四択の問題は二択まで絞れたけど、最後の二択で間違えた。二択に絞ったら部分部分に分解した後に本文と突き合わせて確認を取りながら慎重に回答を決める練習をする」


それに対する私の反応

「せやね。基本やね。」

「私もそう思う。全ての問題を取る必要はないしね。」

「あれ?私、あなたにその話したっけ?してないよね?疑問詞がな・どから始まることに良く気付いたね。まったく同意見ですわ。」

「そう、それな。それが選択肢問題の基本フォーマットと基本解法なのよ。一点だけ、付け足しよろし?誤答選択肢には”本文内容に対して誤り”という作り方もあるけど”実は本文ではそこまで言ってないなど、似て非なる選択肢”があります。あなた達の脳を刺激して連想ゲーム的に間違えさせるんです。この視点を入れておいてください。」


どうでしょうか?

なんか、生徒さんが塾講師みたいなこと言ってませんか?

個別指導塾でアルバイトとして結構いい仕事をするかもしれませんw


【勉強法を見直した結果】

で、期末テストがどうだったかというと、・・・


78点でした。


普段は60点前後なので、きっちり上げましたね。

平均はまだはっきりしていませんが、今回は結構下に行きそうなので、加点としては25点ぐらいは見込めそうです。


あと2回のテストは古文・俳句・短歌・漢詩が中心となるので、暗記中心です。

勝利を確信した表情
「勝ったな・・・。」「・・・ああ。」

・・・暗記にはちゃんと対応できる生徒さんなので、勝ち筋が見えました。

本人が言う「国語を上げたい」はだいぶ確度があがったと言えるでしょう。


【勉強法を見直せる能力が向上したということ】

「自分でもこんなにあげられるとは思わなかった」

生徒さんはこんなこと言ってました。


一方の私はというと、拍手です。

90点台や100点をとった訳でもないですけど、プロセスが素晴らしいです。


知識を増やしたり慣れで加点をした訳ではなく、対象を分析してアプローチを行うことを覚えた訳ですから。

これは、知識ではなく能力の向上と言っても良いのではと思います。



実はこの生徒さんは下記のブログの生徒さんでもあります。

 
 

もともと、上記ブログにあるように「宿題答え写しちゃう症候群」を患っていた生徒さんなんですよ。それがブログのような変化が表れてきて。


・・・いやー、人って変われば変わるもんですねw

これ、ここ3ヶ月ぐらいの話ですからね。

だーいぶ、地中深くだったんですけど、芽吹いてたんですね。

今回、いい感じに掘り起こすことができた思います。


ちなみに、拍手されたこの生徒さんは思春期ATフィールドさえも中和されてしまい、にやにやを堪えられない様子でしたw



私「・・・これ、他の教科もやるといいんじゃない?」(ここぞとばかりつけ込む悪徳講師)


【勉強法は一切教えずとも勉強法の変化は起きる】

このような状態であれば、学習効果を考えながら勉強ができると思いませんか?

夏は長いので当然だれることもあるでしょうが、「解答写し」をするよりは随分と効果に期待できる状況になりましたw


さて、タイトル回収です。

お気づきの通り、私は「勉強法」は一切教えてません。

よっぽど素直な子は教えた通りやるかもしれませんが、そんな生徒さんは特別天然記念物です。滅多に出会えません。

そして、おそらく「意図・意味」が抜けて「手続き」になる恐れが高いと思います。


過去の記事を含め一部しか記載していませんが、これまで紆余曲折がありました。

その中でようやく本人の中に「意志」が芽吹き、「兆し」が発現し、「実践」と「成功体験」を積むことに成功しました。

私としては、この生徒さんは、自身で「勉強法」を改善していけると今考えています。


そもそも、そんなに難しいことではないはずなんです。

「腕太くしてぇー」

「バーベル・・・は今は無理だから、ダンベルで鍛えるか」

シンプルにはこんな話のはずです。

この「腕太くしてぇー」がないから、事が始まらないんだと思います。


「ワークをちぎってにんにくと炒めると理解できる」なら、それをやればいいと思います。「単語帳をミキサーにかけて牛乳を注いで家の観葉植物にあげると覚えられる」なら、それをすればいいんです。

でもまぁ、普通に考えたら、ある程度似たり寄ったりの方法になると思います。


つまり、塾、特に個別指導塾の現場では「勉強法」よりも「勉強法を見直す意識」を芽吹かせる方が、よっぽど大事だと個人的に思います。


・・・文科省は「や〇気スイッチ」がどこにあるかの情報公開を要請してくれと、切に思いつつ締めとさせて頂きます。


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