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【志望校には受かりたいが学校のテスト範囲は確認しないのはなぜか】
期末テストの学習計画を立ててくるという宿題を出していた中3生との会話です。
私「宿題はどうなってますか。」
生徒「まだ完璧ではないです。」
私「(・・・まだこんな言い方で誤魔化そうとする段階か。)・・・具体的に何が済んで、何が残っているの?」
生徒「・・・中間テストでやらなかった朝学をやるのを決めました。」
私「他には?」
生徒「・・・」
私「自分で分かってるよね?朝学の件は中間テストの前からほぼ毎日私が言い続けていることで、中間テストの後は学校でのプリントのファイリングまで私が言い続けてることだよね。『完璧じゃない』なんて言い方したって、事実は何も変わらないよ。」
生徒「・・・」
私「そもそも、あなたテスト範囲表は見ましたか?」
生徒「見てないです」
私「あなたのしたいことはなんですか?」
生徒「高校に受かりたいです」
私「テスト範囲、確認しなくていいんですか?」
生徒「ダメです」
私「もう一度聞くけど、あなたのしたいことはなんですか?」
生徒「高校に受かりたいです」
私「これまでずっとだけど、行動と発言が矛盾しているんですよ」
生徒「・・・」
この生徒さんからは志望校も聞いていて、内申・実力ともに現状では足りなくて、今の学習への態度を続けていたらきっちり落ちるということは既に伝えてあります。
模試を受けたことはないですが、だいたい偏差値は予想がつきます。10前後足りないはずです。
内申も偏差値も、どちらも埋めるのは大したことではないんですが、未だアリバイ作りにしか意識が行ってないんですよね。これではどうにもなりません。夏も『っぽい』雰囲気作りばかりに意識が行って40日間を無為に過ごしそうです。
・・・デッドラインだな。
【アリバイ行為を禁止する】
週3回の自習を禁止する判断をその場で行いました。
元々、こちらから提案したものではあったのですが、「きっちり来なかったりダラダラやるんだったら意味がないから自習をしないで下さい」という条件のもとに始めたものでした。
最近の様子を見ていて、どうしようかという経過観察の状態だったのですが、先の会話から考えるメンタルコントロールの現状レベルを加味して、「”アリバイ作り”に貢献しちゃってるな」という判断を行いました。
私「自習について大事な確認です。きちんと集中できてやれていますか?」
生徒「・・・」
私「いい直しましょう。自習について集中できず時間つぶしになってしまっている。YesかNoか。」
生徒「・・・はい。」
私「では、自習開始前の条件を守れていませんね。ですので、自習は来なくて良いです。いや、禁止です。いいですね。」
生徒「・・・」
私「何かあるなら聞きます。」
生徒「自習をさせて下さい。」
私「ダメです。」
生徒「がんばります。」
私「何を?」
生徒「・・・」
その後も生徒さんは無言でこちらに対して「自習をやらせろ」と要請してきましたが、断固拒否しました。
【アリバイのメカニズムと依存効果】
一見すると、不思議な光景だと思います。
塾で生徒が自習をしたいと言い、それを塾の講師が拒否をするというものですから。
「いや、勉強してくれるんだから、多少だらけていたとしてもマイナスにはならないでしょ。」と考えるのも一つの見方だと思います。
ですが、なぜこの生徒さんは”身が入っていない”と自覚する自習の継続に執着したか。
そこが大事だと思うんです。
何度か出ている”アリバイ”というのは、周りへのアピールという点の他に、”自己正当化”の材料として使われます。
ここを、私は一番問題視しています。
「志望校へ進学する」という少し先の”自分の欲望”から、論理的に発生する『今この瞬間みのあるのある時間を過ごさなければならない』という”要求”に対峙した際に、「手を抜きたい。何も考えたくない。」という今この瞬間の”自分の欲望”が発生する。
この、少し先の”自分の欲望”、”論理的状況的な要求”、今この瞬間の”自分の欲望”の3者を、絶妙なバランスで【成り立っているように自分を誤認させる装置】が、アリバイであり、この生徒さんにとっての自習なんです。
状況に応じた行動ができていない自分をやり過ごすためのものであり、依存してしまっている訳です。
当然、この状況では「志望校へ進学する」という”自分の欲望”は実現されない可能性が高いです。
今この瞬間の”自分の欲望”を抑え込んで、少し先の”自分の欲望”から発生する”論理的状況的な要求”と向き合える状況を作らなくてはなりません。
だから、私は自習を禁止しました。
【依存先を学習行動につけかえた上で梯子を外す】
最後に、この生徒さんが自習を再開できる条件を付けました。
それは、言葉ではなく、行動の実績を見て判断するということでした。
それ以上はヒントを出していません。
何かを言ってしまうと、私が発した言葉から意味を抜いて「こういう場面で使えば納得が得られる言葉」という”言葉の借パク”が起きますし、行動に関してもまた同じことが起きるからです。
ただ、ノーヒントで修正できるとも思っていないので、様子を見てヒントを出しつつ、どのレベルに着地をさせるかを決めることになると思います。
いきなり身のある学習行動といっても、簡単にはいかないものです。
アリバイ行動の特性を利用して、「自習」という”学習行動”に依存先をもってきた上で、今回梯子を外しました。
生徒さんが新しい依存メカニズムを工夫して開発してくる可能性は低いと見ており、自習への執着からなにがしかアクションを起こしてくるだろうことを予想していますし、期待しています。
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