愛知県中堅私立高校ー倍率と合格者平均の動きー【2024＆2025年度分析】

【メディア取材】

名古屋市の守山区と尾張旭市の密着メディアである【とちかつTV】さんに、当塾を取材して頂きました。

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【倍率と合格ラインに関係はあるのか？ー中堅校編ー】

前回、愛知・名電・中京・名古屋・名城の５校について分析をしましたが、今回は名古屋市東部の生徒さん達が良く受ける中堅校について分析をしてみます。

※前回の記事はこちらです

前回同様、昨年と一昨年のデータを用い、倍率と偏差値・内申点のデータの変化をしらべてみました。

※平均偏差値と平均内申点は「愛知県全県模試の追跡調査」のデータ

至学館高校・東邦高校・名経大市邨高校・名経大高蔵高校・栄徳高校・中部大春日丘の６校のデータを見てみます。

【至学館高校】

◇倍率情報（普通科）

対昨年倍率	対昨年倍率差	R7募集人員	志願者数	倍率	R6募集人員	志願者数	倍率
UP！	0.3	320	2,457	7.7	320	2,381	7.4

◇偏差値情報（普通科）

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
普通	0	0.9	50.3	44.4	50.3	43.5
アドバンス	-0.6	1.8	53.6	50.9	54.2	49.1

◇内申点情報（普通科）

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
普通	0.5	0.3	32.4	27.4	31.9	27.1
アドバンス	0.5	-0.5	33.7	30.9	33.2	31.4

◆データ考察

倍率の変化が大きくないこともあり、顕著な変化はみられません。

ただし、普通コースでは合格者の平均内申が＋０．５、不合格者で＋０．３であるので、若干合格ラインは上がったと言えるかもしれません。

【R7不合格者の平均内申＝27.4】であり、「オール３」では合格が厳しい学校になってきました。

◇倍率情報（商業科）

対昨年倍率	対昨年倍率差	R7募集人員	志願者数	倍率	R6募集人員	志願者数	倍率
DOWN!	-0.2	80	467	5.8	80	481	6.0

◇偏差値情報（商業科）

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
商業	0.8	0.1	43.8	38.7	43.0	38.6

◇内申点情報（商業科）

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
商業	-0.2	-2.3	28.9	23.0	29.1	25.3

◆データ考察

こちらも倍率の変化は少なく、顕著な変化は見られません。前年から変化なしと見てよいと思います。

【東邦高校】

◇倍率情報

対昨年倍率	対昨年倍率差	R7募集人員	志願者数	倍率	R6募集人員	志願者数	倍率
UP！	0.4	558	3,177	5.7	583	3,075	5.3

◇偏差値情報

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
普通	0.5	-1.7	57.5	49.7	57.0	51.4
文理特進	0.6	0	63.5	54.6	62.9	54.6

◇内申点情報

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
普通	0.5	-0.2	37.2	29.6	36.7	29.8
文理特進	0.4	1.8	40.1	35.2	39.7	33.4

◆データ考察

やや倍率があがっており、偏差値・内申ともに合格者平均がややあがっています。

特に内申点の＋０．５前後は内申が絡む私立高校の合否においては大きな部分です。

普通コースにおける【R7不合格者の平均内申＝29.6】となっており、合否目安の基準は「オール４弱」と言えるぐらいになってきています。

【名経大市邨高校】

◇倍率情報

対昨年倍率	対昨年倍率差	R7募集人員	志願者数	倍率	R6募集人員	志願者数	倍率
UP！	0.8	398	1,055	2.7	416	784	1.9

◇偏差値情報

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
ブライト	2.3	4.2	50.4	45.0	48.1	40.8
アカデミック	1.3	6.4	53.5	48.1	52.2	41.7

◇内申点情報

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
ブライト	3.0	1.1	32.8	28.2	29.8	27.2
アカデミック	1.7	1.1	34.6	29.9	32.9	28.8

◆データ考察

今回取り上げる中堅校の中では最も倍率が上がっています。

そして、顕著に偏差値・内申ともにレベルが高くなっているのが分かります。

ブライトの合格者平均内申＋３．０はかなり大きな影響です。

【R7不合格者の平均内申＝28.2】となっており、市邨も合格者のレベルをかなり切り上げてきているなという様相です。

【名経大高蔵高校】

◇倍率情報（普通科）

対昨年倍率	対昨年倍率差	R7募集人員	志願者数	倍率	R6募集人員	志願者数	倍率
DOWN!	-0.9	414	1,582	3.8	401	1,882	4.7

◇偏差値情報（普通科）

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
進学	-0.7	-2.7	52.8	44.8	53.5	47.5
特進	1.1	0.7	58.7	51.8	57.6	51.1

◇内申点情報（普通科）

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
進学	-0.2	0.2	33.7	28.8	33.9	28.6
特進	0.1	1.7	36.6	32.7	36.5	31.0

◆データ考察

市邨とは異なり高蔵は倍率を下げました。

そこまで大きな値ではないですが、進学コースにおいては偏差値・内申ともにやや数字を下げています。

が、ほぼ誤差の範囲と言えます。

【栄徳高校】

◇倍率情報

対昨年倍率	対昨年倍率差	R7募集人員	志願者数	倍率	R6募集人員	志願者数	倍率
UP！	0.4	380	1,591	4.2	380	1,431	3.8

◇偏差値情報

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
進学	0.6	1.9	48.3	40.8	47.7	38.9
特進	1.2	-1.9	51.8	43.6	50.6	45.5
スーパー文理	0.6	6.1	58.8	52.6	58.2	46.5

◇内申点情報

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
進学	0.4	2.3	29.2	24.1	28.8	21.8
特進	0.3	0.2	30.8	26.8	30.5	26.6
スーパー文理	0.3	0.9	35.0	31.3	34.7	30.4

◆データ考察

倍率はやや増加しており、若干偏差値と内申の数値が上がっています。

スーパー文理の不合格者平均偏差値、進学の不合格者平均内申の２つが目立って上昇しています。

下限が切りあがっているようです。進学コースでも「オール３」を基準に合否ラインを見た方がいいと思います。

【中部大春日丘高校】

◇倍率情報

対昨年倍率	対昨年倍率差	R7募集人員	志願者数	倍率	R6募集人員	志願者数	倍率
STAY！	0.0	424	2,455	5.8	424	2,455	5.8

◇偏差値情報

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
進学	0.8	-0.2	54.1	46.3	53.3	46.5
創造	0.7	-0.5	60.8	51.3	60.1	51.8

◇内申点情報

コース名	合格者対前年	不合格者対前年	R7合格者	R7不合格者	R6合格者	R6不合格者
進学	-0.2	0	35.2	28.9	35.4	28.9
創造	0.3	1.7	40.0	35.2	39.7	33.5

◆データ考察

中部大春日丘については倍率の変動はありませんでした。合格者平均でみると偏差値でやや上昇をしています。創造コースは内申点が＋１．７と大きく切りあがっていますが、全体的には大きな変化はないという印象です。

【倍率と合格者平均データについてのまとめ】

学校 コース名	倍率増減	合格者平均偏差値	合格者平均内申点	傾向
至学館 普通	0.3	0.0	0.5	倍率やや増、内申UP
至学館 アドバンス	0.3	-0.6	0.5	倍率やや増、偏差値ややDOWN、内申UP
至学館 商業	-0.2	0.8	-0.2	倍率やや減、偏差値ややUP
東邦 普通	0.4	0.5	0.5	倍率やや増、偏差値ややUP、内申UP
東邦 文理特進	0.4	0.6	0.6	倍率やや増、偏差値ややUP、内申UP
名経大市邨 ブライト	0.8	2.3	3	倍率増、偏差値大幅UP、内申大幅UP
名経大市邨 アカデミック	0.8	1.3	1.7	倍率増、偏差値UP、内申大幅UP
名経大高蔵 進学	-0.9	-0.7	-0.2	倍率減、偏差値ややDOWN
名経大高蔵 特進	-0.9	1.1	0.1	倍率減、偏差値UP
栄徳 進学	0.4	0.6	0.4	倍率やや増、偏差値ややUP、やや内申UP
栄徳 特進	0.4	1.2	0.3	倍率やや増、偏差値UP、内申ややUP
栄徳 スーパー文理	0.4	0.6	0.3	倍率やや増、偏差値ややUP、内申ややUP
中部大春日丘 進学	0.0	0.8	-0.2	倍率STAY、偏差値ややUP
中部大春日丘 創造	0.0	0.7	0.3	倍率STAY、偏差値ややUP

全体的な傾向を以下にまとめます。

【中堅校は上位校と違い倍率の変化が大きくない】

上位校では日程の組み合わせで倍率ー２．７というようなことも起きていましたが、中堅校ではそこまで大きな変化はないです。

それに伴い、大きく合否ラインが動くことはないと言えます。

【倍率が下がれば合否ラインは下がる傾向も、特進系は影響を受けにくい】

上位校でも似た傾向がありますが、特進系は上澄み層ですので、あまり倍率の影響はうけないようです。

【全体的にレベルが上がってきており、「オール３」で受けられる高校が減ってきている】

これが最も大きなポイントだと思います。

１０年前は「オール３」→東邦、「オール３未満」→至学館・市邨・栄徳、といった感じになっていました。

現状、「オール３」→栄徳、という選択肢になるでしょう。

【中堅校のデータから受験準備について考える】

ここまで見てくると、公立私立を含め、普通科でそれなりに選択肢が残るラインとなると【内申３０～３３ぐらい】というのが実情となります。

一方で、これぐらいの生徒さん達は「まぁ、オール３なら平均っしょ？それなりにやれてるんだからダイジョブジョブ！」と思っているパターンが多いです。

その場合、だいたい中３生で成績を維持できず、内申２５前後に落ち着くことが多いです。

こうなってくると、かなり進学先は絞られます。

中３生から慌てて塾に通い始めても、ほとんどの生徒さんは【まずは宿題を写したり、授業内容を右から左に聞き流すこと】から始まります。

これを講師がきっちりチェックし、咎め、何度も話をして、少しずつ学習をするようになっていきますので、実際に学習に向き合うまでは少なくても数か月かかります。

ご本人に任せるというパターン以外は、２年生の２学期、少なくとも３学期頭までにはテコ入れをすることをお勧めします。

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